今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について(案)
公表日:平成22年6月22日
1、 概要
環境省の中央環境審議会大気環境部会自動車排出ガス専門委員会はディーゼルトラック・バスの排出ガス規制の強化及びE10対応ガソリン車の排ガス基準等について、「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について(第十次報告)」(案)が公表された。
2.排出ガス規制強化の背景
・ 二酸化窒素に係わる環境基準について、依然として未達成な測定局がある。また、新たに環境基準が定められたPM2.5(微小粒子状物質)については、少なからずNOXの影響があることが指摘されている。
・ 欧州でも今後排出ガス規制が強化される予定。新興国においても排出ガス規制の強化が予想され、日本メーカーの国際競争力確保の観点からも強化が必要。
3. 2016年目標の概要
・ 世界統一試験サイクルの導入:開発コストの低減のため世界統一試験サイクルであるWHTC (World Harmonized Transient Cycle)を導入する
・ 適用時期:2016年末までに実施
・ 目標値:NOX目標値を09年排出ガス規制(ポスト新長期規制)から約4割削減(0.7g/kWh → 0.4g/kWh)する。
4. E10対応ガソリン車の排出ガス基準等について
・ E10を使用するには、 大気汚染防止、安全性確保の観点からE10対応ガソリン車が必要である。
・ しかし、E10の規格、それを前提としたE10対応ガソリン車の基準が未整備であり、E10対応ガソリン車は一般には販売されていない。
・ バイオエタノールの供給の安定性・経済性の確保等の課題に取り組みつつも、まずはE10対応ガソリン車が市場に導入される環境を備えることを目標とし、基準を検討する。
5. 基準の概要
・ エタノール混合による大気汚染の課題:ガソリンにエタノールを混合すると蒸気圧が上昇し、光化学オキシダント等の原因となる炭化水素の蒸発量が増加する。
・ E10の規格:エタノールを混合する基材ガソリンについて、通常よりも蒸気圧が低いものを準備し、現行の(E3レベル)の蒸気圧規格に適合させる。
☆ 環境省のホームページ:今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について第十次報告