日本では、労働安全衛生法のもと、労働安全衛生規則等により、事業者による事故防止処置が義務付けられ、労働災害の削減に向けた取組みが行われております。しかしながら、厚労省労働基準局が発表する労働災害発生状況を見ますと、依然として毎年たくさんの労働災害が発生しています。
労働安全衛生マネジメントシステムとは、労働者、訪問者、職場にいるその他の人々の、負傷、疾病の防止を目的として、その安全に影響する(影響する可能性を含む)条件や人々を管理する仕組み(マネジメントシステム)です。
労働安全衛生のためのマネジメントシステムは、「ILO-OSH2001」、「厚生労働省 労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針」、「建設業労働安全衛生マネジメントシステム(COHSMS)」、「JISHA方式適格OSHMS基準」等、いくつかのOHSMS規格があります。これらは、ISO45001規格と同様に、労使が一体となりPDCAサイクルのプロセスを通じて労働安全衛生水準を継続的に向上させる仕組みです。しかし、ISO45001は、ISO9001:2015やISO14001:2015と同様に、共通テキストが採用されています。この結果、事業との統合やパフォーマンス重視が求められ、他のマネジメントシステムとの親和性が高く、一貫性のあるマネジメントシステムを構築・運用することが可能です。